パビルさんには2歳のお孫さんがいます。
マレーシアは多文化がうまく共生している国・・・というイメージがあります。
毎年ホームステイで毎年出会うマレーシアの中高生を見て、ことばの柔軟性にも目を見張ることがありました。ことばも多言語的環境の中で、どんな感じなのかなあ?興味がありました。
お孫さんはちょうど2歳で、ことばをどんどん話すようになるころ。どんな環境で、どんなふうに人と話していくのかな?
まず、環境と言えば、毎日朝夜が明ける前の早い時間から、外から鶏の鳴き声と共にコーランの音が響いてきます。たぶんコーランのアラビア語を自然に聞いている・・・
テレビをつけると、日本と同じように、子供向けの英語の番組、そして、インドネシア語の漫画の番組が字幕付きで流れています。携帯で車に乗って退屈な時などには、お母さんが子供向けの英語の歌のプログラムの動画を繰り返し見せていました。
面白かったのは、ファビ君が英語らしきことばを発すると、周りが「ぱんだ~い、ぱんだ~い」(上手上手)と言って、それをまねるんです。指をさして「ゆ~っ!」(多分 look!)というと、お祖母ちゃんも「ゆ~っ!」と一緒になって指さし。
「あっぴんだん、あっぴんだん」(up and down~)と動画を見てファビ君が歌っていた歌を、車が道の悪いところでガタンとなった時、お祖父ちゃんが「あっぴんだん、あっぴんだん」と嬉しそうに歌う。すると、ファビ君も反応し、一緒にたのしそうに歌う。途中時々マレーシア語になっちゃったりしても、気にしない。
ちゃんとした英語、とか、正しい発音、とか、混ざったらこんがらがっちゃうからダメ、とか、そんなの全然関係ない感じ。ただただ一緒に同じ音(ことば)を口づさみながら、イメージを共有する瞬間を楽しめるのはのは いいな~。これも”母語”ってことかも。
こんな風にゆる~くいろんなことばの中を漂っていけたらいいな。ファビ君は、コーランの音も「ゆ~っ!」「あっぴんだん、あっぴんだん」の様に口ずさみながら、やがて掴んでいくのかしら?
マレーシアの人たちの、わかるわからないにとらわれない、柔軟な感じの源は、こんなところにもあるのかな?
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by ilbhmchan
| 2020-01-08 23:02
| 人との交流